かつて一般の耳掻きの物足りなさを常々感じていた私は
自分で造ろうと思い立ち、
模型の塗料用に売っている金属製の小型スプーンに目をつけました。
小型とはいえそのままでは耳にはいりません。
ルーターという小型のグラインダーや耐水の紙ヤスリ等を駆使して
物凄い耳掻きをつくりあげました。
何しろ軽くほじくっただけで産毛までそりおとしてしまうというシロモノです。
一度手にしたら今までの耳掻きはなんだったんだ!と
後悔(?)すること受け合いです。
もともと、漫画家を目指す程手先の器用な私の作品ですから、
その内、受注を受けるまでになりました。
ところが暫らくするとクレームが相次ぐようになりました。
その内容は耳の中が切れる!というものでした。
下手すると血が止まらないなんて事も、実をいえば私自身経験しておりました。
普段、外の刺激に慣れていないデリケートな耳の中を
ナイフで引っ掻いている様なものですから当然といえば当然です。
そしてこの時私はハッ!とようやく気が付いたのです。
何故従来の耳掻きが物足りないモノになっているのかということに…。
わざとそうなっていたんですね。
その後も意地になって使い続けていた私でしたが
ある時『ゴトッ』(本当にこんな音でした)と8ミリほどのカサブタが
耳の中から落ちてきて以来、
さすがの私もスーパーミミカキ(こう呼ばれてました)を
封印せざるをえませんでした。さようならスーパーミミカキ!
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